簡単に定期購読できる電子書籍
iPad の登場で話題になっている電子書籍。Twitterを効果的に利用しているテーブルマーク株式会社様へ、企画を提案し、採用いただきました。Podcastの技術を利用して、非常に安価に定期購読を可能とした仕組みになっています。
ePub形式の電子書籍
アップルは、iPadの発表の際、アップルは電子書籍を閲覧する無料のアプリケーション「iBooks」も発表しました。
iPadで閲覧できる電子書籍を作成するには、専用のアプリケーションを開発するか、上記のiBooksに対応した ePub形式で作成するかの2つになります。
(PDFとして作成する方法もありますが、紙を電子化しただけで、電子書籍としては不十分ですので除きます)
現状では、専用のアプリケーションを作成するケースが多いかと思いますが、この場合、レイアウトやデザイン、機能面で融通が効き、自由度は高いメリットはありますが、開発コストも掛かり、iPad/iPhone以外では閲覧できないというデメリットもあります。
その点、ePub形式の電子書籍は、特別な開発環境が不要なため、開発コストも抑えられる上に、オープンなフォーマットであるため、iPad/iPhone以外でも閲覧することも可能であり、導入しやすいのが特徴です。
従って、電子書籍の市場はまだこれから成長していく導入段階ですので、よりリスクの少ない ePub形式での電子書籍を提案いたしました。
定期購読が可能な配信システム
ePub形式の電子書籍というのは、一般的には馴染みがなく扱いづらいところがあるので、専用のサイトを用意し、iPadやiPhoneと同期をするiTunesに簡単にダウンロードする方法を用意しました。
また、ここではポッドキャストという技術を使い、簡単にiTunesにダウンロードするだけではなく、一度登録すると、新しい電子書籍が公開されると、サイトに訪れることなく自動的にiTunesにダウンロードする仕組みを提供することにしました。
これにより、ユーザーが一度登録することで、iPadやiPhoneに定期的に電子ブックを配信することができ、企業にとってはユーザーの囲い込みに繋がり、ユーザーにとっては手間がかからず自動的に最新号が届けられる仕組みとなりました。
モバイルで閲覧するコンテンツ
電子書籍もまだ新しい分野ですが、このポッドキャストの仕組みを使っての自動配信の仕組みは、例を見ない方法であったため、今回は当方からテーブルマーク株式会社様へ自主提案させていただきました。
レシピ本の電子書籍化を提案させていただいたのは、いくつか理由があります。まず、ウェブサイトで公開されているものであったこと。
上記の仕組みは、まだ課金できるインフラが出来ていないので、無料配布のものでなければ導入をしにくいと考えました。
また、ユーザーにとっても、iPadなどで見たいコンテンツは何かと考えたとき、キッチンで料理をしながら見たい料理のレシピ本はそれに当てはまると思いました。
また、新しい仕組みと取り組みであるため、口コミを起こしやすいツイッターを有効活用しているテーブルマーク様が行うことで、話題になりやすく効果的だと考えたからでした。
予想外の反響
iPadが発売されて間もない時期であり、iPhoneのOSが新しくなってiPhoneでもiBooksを利用できるようになるタイミングを見計らってのリリースであったこともあり、リリース数日でツイッター上では数多くのユーザーからのフィードバックがありました。また、そのほとんどが好意的な反応であることが驚きでした。
新しい試みに歓迎する声や、自動配信の仕組みに驚かれる方、レシピ本はiPadで見るのにピッタリだというコメントなど、こちらの企画の想いが間違いなく届いてくれていることが分かるのは嬉しい反響でした。
アクセス数も比例して上がりましたが、それ以上にユーザーの生の声が聞こえることは有益でした。
最初のリリースから数日後に、リリース直後のiPhone版のiBooks用にレイアウトを調整した最新号を配信しました。そこで、サイトへのアクセスはなくても最新号がダウンロードされていることは確認でき、すでに囲い込みが行われつつあることがわかりました。
今後、定期的に配信していくことで、コンテンツにユーザーの声を反映しながら発展できればと思いますし、その可能性を秘めたツールだと思います。