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まずはMovable Typeの個人無償ライセンスを使ってみよう

  • (2019.12.07更新)

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2月21日(土)に、CMS Fun Nagoyaの第1回目の勉強会が行われた。

CMS Fun Nagoyaとは、名古屋地域を軸に活動するCMSのベンダーやコミュニティの有志が運営し、勉強会などを通じてCMSを使ったサイト制作や開発のノウハウを共有していこうという団体。私も運営スタッフに名を連ねている。

この第1回目の勉強会で「新しいCMSに挑戦しよう!」というテーマでの開催。あまり告知は積極的にしていなかったが、勉強会の内容が決定する前に申込者がかなりあり、当初の予定を上回っての41名の参加があった。

基調講演に言問株式会社の藤田氏による「これからのWebサイト運用で期待されることとCMS」というお話。その後、名古屋にベンダーやコミュニティがある7つのCMSによる、それぞれのCMSの紹介を行った。

イベントの様子や資料はこちらから。
第1回勉強会「新しいCMSに挑戦しよう!」が開催されました。

Movable Typeをオプションとして覚えて欲しい

私はMTなごやの代表として6番目に登壇。Movable Typeの紹介を行った。とはいえ、Movable Typeは最古参のCMSになる。「新しいCMSに挑戦しよう!」というテーマでは、少し不利な気もしつつではあったが、最初に少し聞いてみた感じやアンケートを見ると、それほどMovable Typeを使っている人は多くないようだった。

セッションの始めで、MT3やMT4くらいまで使っていた人と、いまでもMTをつかている人はほぼ同数だったが、合わせても来場者の半分くらいだったのではないだろうか。個人的には10年以上MTを使っているので、なんとも複雑な気分だ。

また、他のCMSがほとんどオープンソース。一旦、ライセンスの問題でオープンソースを停止していたSeezooも、まもなくオープンソース版を復活するという発表。少しCMSとは違うのかもしれないが参加されていたJimdoも、有料版もあるが無料でも使える。

ライセンス費が必要な商用のCMSとしては、名古屋にベンダーがあり今回の会場となったコワーキングスペースの運営も行っているアップルップルさんの a-blog cmsとMovable Typeのみ。ただし、a-blog cmsには機能制限があるライト版は無料で使うことができるので、以前あったオープンソース版の開発を中止し、完全に有償のみなのはMovable Typeだけとなる。最古参であることも含めて、アウェー感がたっぷり。

いままでMovable Typeを使ったことがない人にとって、やはり商用のイメージが強いのではないだろうか。MT4までは5ユーザー5万円のライセンスから始められたが、ユーザー数の制限がなくなったとはいえ、最低でも9万円のライセンス費がかかる。普段、低予算でサイト制作をしているようであれば、なかなか使ってみるきっかけはできないかもしれない。

ただ、セッションの最後に「お金になりやすい」と話したように、導入実績は5万件以上ありながら、最新のMTが分かる制作者は増えていない気もするので、MTを使えるとなると仕事の幅が増え、サイトの制作単価も上げることができるのではないかと思う。低予算の案件は、いままで通りオープンソースのCMSを使い、場合によってはライセンス費を取ってもらってMTを使うというオプションを持っておくのは、プラスになるのではないかと思っている。

また、導入実績も多いということで、すでにインストールされているMTの改修という仕事も少なくはない。Web制作者にはオプションとしてお勧めしたい。

ライセンス費も必ずしも制作費から負担するわけでもなく、制作費とは別途、クライアント側でライセンス購入することも少なくないので、ライセンス費がかかることが制作費の圧迫に必ずつながるとは限らないというのも現状だ。

あまり知られていない個人無償版

Movable Typeが登場した頃は、一般的にオープンソースというものが浸透していなかった気がする。その後で、オープンソースのCMSが多く登場し、MTも後追いでオープンソース版を出したが、そこまで普及してはいかなかった。いまでもオープンソース版を使うことができるが、一つ前のMT5でバージョンが終わっている。

最新のMT6を試してみたいという場合は、ライセンスを購入する前に1ヶ月のトライアルができるので利用しても良い。ただ、現実的に案件の引き合いがあって、CMSの選定段階でトライアルをしてみての猶予があるのかどうかが疑問ではある。どちらかというと、クライアント側が自社で導入する場合に利用するには便利なのかもしれない。

従って、Web制作者などの開発者には開発者ライセンスというものが無償で用意されている。開発者登録をすることで利用出来る。本来は、プラグインの開発や動作検証に使うためのライセンスだが、無料の勉強会などにも利用できるとのことなので、MTを覚えたいという場合は、こちらを使うことで最新のMT6を使うことができる。

ただし、この開発者ライセンスは、公開するサイトには利用できない。実際に公開サイトに使ってみて確かめたいという場合は、トライアルを利用することになる。

このような感じで、商用での利用であるとハードルがあるのだが、昔から使っていた身としては、MTがそれほど商用向けに特化したイメージがない。そもそもブロガーの奥さんがプログラマーの旦那さんに更新しやすいツールを作ってもらったのがMovable Typeの始まり。そんな大層なツールではなかった。ただのブログツールだ。商用で使う場合はライセンスを払って欲しいけど、個人の人が趣味で使うのであれば無償で構わない。オープンソース版が出る前から、そのスタンスは変わっていない。

ということで、商用に使うわけでなければ、個人無償ライセンスというものも用意されている。法人や団体、個人事業名義で利用すると、商用サイトでなくても有償ライセンスが必要ではあるが、業務から離れての個人的なサイトやブログを構築するぶんには、個人名義でダウンロードすることで無償で利用することができる。Movable Typeが出てきた頃、Web制作者も含め、いわゆるブロガーはその無償版でMTを使い始めたものだ。私もその一人。

やはりちょっとしたトライアルでは実感としては分かりにくい。実際に1年とかしばらく運営してみると、Movable Typeの安定性も分かるような気がする。あまり知られていないが、個人として個人無償ライセンスを使ってみることはお勧めである。

私自身、Webの仕事をするまえから個人無償ライセンスでMTを使っていて、Webの仕事をするときに、個人で使っていたMTのノウハウが使えたことはすごく助かったところがある。また、プラグインのテストなんかもまずは個人のブログで使っているMTで試してみてからクライアントのサイトの導入するか決めるなどもしてきた。

この個人無償ライセンスで使えるMTは、何も制限がなく、9万円の有償のライセンスのものと同等のものなのだ。正直、使わない手はないとも思う。

Web制作をしている方などはぜひ、個人として、まずは個人無償ライセンスを使ってみてほしい。

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