先日、マーケティング アイズ株式会社の5周年記念イベントに参加してきました。
マーケティング アイズさんは、名古屋を拠点に、東京や大阪、そして海外にまで活動を広げているマーケティング・コンサルティング会社。代表の理央 周さんは、執筆活動や大学院での講師などもおこなっている。
マーケティングをアカデミックな側面から捉えることを得意とする一方、様々な媒体でわかりやすく「マーケティング」を伝えることに力を入れられている印象だ。
マーケティングは、「何を、誰に、どうやって」だけを考えればよい。難しく捉えられがちのマーケティングについて、そう説明する。そうすることで、自然に売れる仕組みを作っていくことだと言い続けている。
どんな媒体で、どういう表現で、という「どうやって」から考えがちだが、「どうやって」という部分は選択肢が多いので、「何を、誰に、どうやって」という順番で考えた方が良いそうだ。そして、「何を」を考えるにあたっては、リサーチや分析などを行って、「何を」売るのかを決めていくのだそうだ。
これは、イベントのたびに取り上げるトピックスであり、何回か参加している方は、「何を、誰に、どうやって」は分かった。それで、次にどうすれば、と思うかもしれない。しかし、理解したつもりになっている場合も多いのではないだろうか。分かっている気になって本質的に理解しいていない人も多いので、毎回取り上げられているのではないだろうか。
というのも、ホームページについて相談を受ける場合でも、この基本的な部分が欠落していると感じることが、とても多いのだ。
ホームページを作りたいけど、何から準備したらいいのか。ウェブは詳しくないので教えてほしい。どういうデザインがいいのか。SNSはどう使ったらいいのか。そんな相談が多いのだ。
もちろん、ホームページやSNSは「どうやって」という手段となる。つまり、最後に考えるべきことなのだ。
「どうやって」の手法にはいろいろあるのだが、その前にホームページやSNSで、「何を」「誰に」伝えたいのかを教えていただかなくては「どうやって」を考える事が難しいのだ。
従って、ホームページやSNSで何を伝えたいのか、どんなメッセージを表現したいのかを聞き、それを誰に向かって、どういう層に向かって伝えたいかを聞くのだが、絞り込まれていなかったり、曖昧だったりするケースが多い。
「何を、誰に」という部分をしっかりと明示して、そのうえでホームページの活用を相談に来られると、非常に話は早いのだが、そんなケースは稀でほとんどないと言っていい。
それくらい、「何を、誰に、どうやって」というのは、シンプルながらも簡単ではなく、非常に重要な要素なのだろう。「マーケティングはこれがすべて」という言葉の意味には、これが明確になっていないと話が始まらない。そいういう意味が込められているのではないかと思う。
ホームページに限らず、様々な媒体でメッセージを発信する機会があると思うが、「何を、誰に」というのが明確になっているか、というようなことを意識するだけも、変わってくるのかもしれない。