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ゴールデングローブ賞に「Best Podcast」新設

2026年のゴールデングローブ賞で、新たに「Best Podcast」部門が創設されました。

これは毎年、映画とテレビドラマを表彰してきたゴールデングローブが、初めてポッドキャストを正式な対象として加えた、歴史的な一歩です。

ゴールデングローブ側は、この新設について「ポッドキャストが観客の時間と関心を大きく獲得している現実を反映したもの」と説明し、600万人規模とも言われる世界の音声・ビデオポッドキャスト視聴者の広がりを背景にしています。

Spotifyが語る「決定的瞬間」と10Bドル

この動きに対して、Spotifyはニュースルームで「ポッドキャストにとっての決定的な瞬間(defining moment)」と位置づけ、1週間にわたる“Golden Week”キャンペーンを展開しました。

過去5年間で、Spotifyはポッドキャスト・エコシステムに対して100億ドル(約1兆円超)以上をもたらしたと試算。

その内訳として、クリエイターへの直接マネタイズ、膨大なオーディエンス規模、配信・広告を支えるインフラへの投資などを挙げています。

グローバルヘッドのローマン・ワーゼンミュラー氏は、「ゴールデングローブで初めて認知されることは、ポッドキャストの歩みと、これからの可能性を象徴する“止まって振り返る瞬間”だ」とコメントしています。 ​

Spotifyは、ゴールデングローブの週に合わせて、ノミネート作品を招いた「Nominees Night」イベントや、パートナープログラム拡大、ハリウッドの新スタジオ「Spotify Sycamore Studios」公開など、クリエイター支援施策も同時に打ち出しました。

「Best Podcast」ノミネート6作品

初年度となる2026年の「Best Podcast」部門には、次の6作品がノミネートされました。

  • Armchair Expert with Dax Shepard
  • Call Her Daddy
  • Good Hang with Amy Poehler
  • The Mel Robbins Podcast
  • SmartLess
  • Up First(NPR)

いずれも、セレブリティによるトーク、自己啓発、ニュース、コメディトークなど、現在の英語圏ポッドキャストを象徴する“ビッグタイトル”が並んでいます。

この中から、Amy Poehlerの「Good Hang with Amy Poehler」が初代受賞作となり、「ポッドキャスト初のゴールデングローブ受賞」として大きく報じられました。

なぜ今「Best Podcast」が必要とされたのか

ゴールデングローブやメディアのコメントを整理すると、新設の理由は大きく3つにまとめられます。

1.市場規模の拡大

2026年までに世界の音声・ビデオポッドキャスト視聴者が6億人を超えるという予測が示され、もはや“ニッチ”とは呼べない規模になったこと。

2.文化的インパクトの可視化

ニュース、政治、コメディ、トゥルークライム、セルフヘルスなど、社会議論やエンタメ消費の重要なプラットフォームとして、ポッドキャストが日常の言論空間を支えている点が評価されたこと。

3.アワードの存在意義のアップデート

映画とテレビだけでは捉えきれない「視聴時間」の現実に、アワード側も合わせていく必要があったこと。配信プラットフォームやSNSと同列に、ポッドキャストも“現代のスクリーン”として扱われ始めています。

その一方で、「ノミネートの多くがセレブ番組や大手メディア作品に偏っている」「政治系や保守系の人気番組が外れている」といった批判もあり、評価軸の透明性や多様性については今後の課題として指摘されています。

他の新部門と「音声コンテンツ」の位置づけ

ポッドキャスト以前にも、ゴールデングローブは新しい視聴の現実を取り込むために、いくつかの新部門を導入しています。

  • Cinematic and Box Office Achievement(興行・シネマティック功績賞)
  • Best Performance in Stand-Up Comedy on Television(スタンドアップコメディ賞)

「Best Podcast」は、これらに続く“第三の新顔”として位置づけられ、映画・ドラマに加えて、コメディ・スタンドアップ、そしてポッドキャストという、マルチフォーマット時代のエンタメ構造を象徴する存在になりました。

現場のポッドキャスターへの示唆

では、この動きは、日々ポッドキャストを作っている私たちに何をもたらすのでしょうか。いくつか実務寄りのポイントに落としておきます。

  • 「音声番組」は、もはや“サブメディア”ではなく、映画・ドラマと同じ土俵で語られるメインストリームの一部になった。
  • スポンサーや広告主に対して、「ゴールデングローブも正式に部門を作った」ことは、ポッドキャストの価値を説明する強力な材料になる。
  • ゴールデングローブの基準には「一定期間内に6エピソード以上、1本30分以上」「オリジナルコンテンツ」などが含まれており、コンスタントな更新とオリジナリティが評価軸としてより重視される流れが見える。
  • 作品としての“物語性”や“テーマ性”だけでなく、リスナーとのエンゲージメント(コミュニティ、SNS連携、ライブイベントなど)も、今後アワードやプラットフォームから評価されやすくなる。

インディーポッドキャスターにとって、いきなりゴールデングローブを目指すという話ではありません。
ただ、「音声で日常や物語を紡ぐこと」が、世界のエンタメシーン全体の中で、確かな位置を得た——その流れの延長線上に、自分の番組もちゃんと存在している、という感覚は持っていてよさそうです。

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