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Apple Podcastsになった理由

  • (2017.05.08更新)

4月の半ば、突如として「iTunes Podcasts」が「Apple Podcasts」にブランド名変更となったというニュースが入ってきた。Podcastを告知するバッジも変更になっていて、日本語のものもあったので、自分のサイト にも貼ってみている。

6月に開催される「WWDC 2017」でPodcastについての機能追加が発表されるのではないかと言われ、有料配信ができるようになるのではないか、などという噂が出ているようだ。

上記の記事にも最後に次のように書いてある。

「Podcast」は一昔前までは人気があったメディア媒体だったが、今やその跡形もないほどコンテンツが廃れてしまっている。大規模な復活というのは一体どういうものなのか想像がつかない

このように、特に日本にいると、Podcastを配信している人でも、この発表には戸惑っている人が多いようだ。あまりにも遅すぎる、何を今更、何がしたいかわからない。そんな冷ややかな意見も多く見かけた。

ただ、ちょうど、新たにPodcastで何かできないかと考えていたところで、そのためにPodcastについて再度調べていたのだが、個人的には今回のAppleの動きには納得ができ、ブランドの名称を変更する理由にも思い当たるところがあった。

私なりの「Apple Podcastsになった理由」を「WWDC 2017」の予想を含めて書いておきたい。

米国のPodcast事情

まず、AppleがPodcastを変えようとしている。その前触れはあったのだ。

その前に大前提となるが、米国のPodcastに対する認識は、日本とは全然違う。

もともと、土地が広く、車社会だったために「ラジオ」に対する想いは違い、ラジオ社会だった米国ではPodcastが受け入れやすい土壌があった。例えば、R.E.Mなど、地方のカレッジチャートから有名になったアーティストもいるように、マスメディアに対抗して、カレジチャートや海賊放送などで独自の文化を作っていくという意識も強い。日本のように地方のラジオ局であっても流行りものに追随するという意識とは違っている。そのため、マスメディアとは違う、Podcast自体が受け入れやすいという前提がある。

日本では、PodcastがiTunesに搭載された頃には話題になったのだが、その後、YouTubeなどが登場すると次第にニュースに登場することも減って、検索されることもなくなっている。

これが、米国や全世界的に見ると違う。

米国に絞るともっと顕著ではあるのだが、2006年に話題になってから、それほど落ちていかない。そして、2014年の12月に急にピークが現れ、その後、増えていっている。

この時に何があったのか。「This American Life」という人気ラジオ番組のPodcastから、スピンオフで作った「Serial」というヒット作が生まれたのだ。毎週更新される続きもののPodcastが、クリスマスシーズンで配信が1回お休みになった時にバズってしまったのだ。それだけ、毎週更新を待っていた人がいて、惹きつけるものであったということはある。

もちろん、これは1番組のヒットではあるが、その成功を見て、再びチャレンジする企業なども増えて、Podcast界全体として再燃してきている状況だ。

「Serial」を作ったチームは、現在「S-Town」という実験的な番組を作っており、これもヒットしているようだ。

Appleが画策中とのニュースは出てきていた

Appleとしては、早くからiTunesにPodcastのアグリゲート(収集)機能を搭載した。ただ、基本無料でやり取りされるPodcast。iPodユーザーの利便性を高めるだけの目的で、そこで儲けようという意志は見えず、力の入り方も中途半端だった。iOS版のPodcastアプリを出したのも、iPhoneをリリースしてからだいぶ遅れた5年ほど前だ。それまでは、そこそこ放置されていた。

ところが、近年のPodcast再燃の動きを見て、何かアクションを起こしたいとは思っていたようだ。

2016年5月、Podcastの人気運営者7名をApple本社に招いて会談を行っているが、このとき、Appleの実質No.2である上級副社長Eddy Cue氏も顔を出しているようだ。

今年、2017年の2月にもEddy Cue氏から、「Podcast」の大規模な復活を画策しているというコメントがあったようだ。

それを受けての今回のブランド名変更の発表だった。

もう1つの要因はApple Music

もう一つの要因は、音楽配信サービスのPodcast対応だ。

まだ未確認だが、SpotifyがオリジナルのPodcast番組の配信を始めている。

Google Play MusicもPodcastに対応を始めた。まだ、米国とカナダのみで、番組の登録もできなかったが、Appleのように番組を登録制にしているようだ。(プロキシを米国に変更したら登録できました)

Stitcherという独立系のプラットフォームも番組を登録できる。Androidユーザー向けであれば、iTunesに登録するよりもStitcherに登録した方が良いというような状況だ。

音楽共有サイトのSoundCloudなどは、音声をアップロードして配信するプラットフォームとしてPodcast機能を強化している。

こうなってくると、Apple Musicは音楽配信サービスとしてPodcastに対応しないと不自然であり、また、Apple Musicと一体化させていくというのが自然の方向だ。たとえば、有料配信をできるようにするとしても、iBooksのようにデベロッパーが登録して個別に販売も可能かもしれないが、Apple Musicの利用者は有料Podcastも聴き放題。とする方が自然だろう。

そうなると、Apple Musicと一体化させるのに、iTunesブランドではやりにくい、つまり、「Apple Musicと一体化させるためにApple Podcastsにブランド名を変更した」と考えると納得がいく。また、そうなってくるとAndroidユーザーへの対応もしなくてはならないだろう。

おそらく、6月のWWDCでは、Apple MusicでPodcastを聴けるようにして、すでにAndroid向けにリリースしている「Apple Musicアプリ」でPodcastを聴けるようになるか、「Apple Podcasts」というAndroidアプリを発表するのではないだろうか。

Appleとしては、音楽配信としてのApple Musicの利便性を他社に追随して高めるところが狙いであり、Podcast単体での収益はそれほど考えていないと思われるので、有料配信自体をするかどうかは不明だ。ただ、Podcast配信者からは要望が出ていそうな気もするので、配慮して対応するかもしれない。そういう意味では、iTunes ConnectというApp StoreやiBooksなどの販売コンテンツを管理するページに、「マイ Podcast」としてPodcastを管理する仕組みが入っていることは、有料配信の準備も整っていると言えるのかもしれない。

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